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USE CASE

採択者事例

音で心が楽になる—原体験からはじまる福祉の新しいかたち【佐久間 玲奈さん】

▼事業概要:
既存の福祉制度では支えきれない“グレーゾーン”の当事者に向けて、音楽や表現活動を通じた原体験の創出と、柔軟な就労支援を組み合わせた福祉事業所を開設します。引きこもりや精神的な生きづらさ、LGBTQ、生活困窮など、多様な課題を抱える若者たちに対して、一人ひとりの特性に合わせた支援と「生きがい」を提供します。

音楽プログラム、よろず便利屋による軽作業、ユニバーサル就労(中間的就労)などの多彩なプログラムを通じて、段階的な社会参加と自立を後押しします。最終的には就労継続支援B型事業所として障害福祉サービスを提供し、地域の中で孤立しない支援モデルをつくります。

本プロジェクトのビジョンは、「当事者が自分らしく生きられる社会を、原体験から共につくる」こと。自らの経験に基づく支援で、当事者と社会をつなぐ新しい福祉のあり方を秋田から実現します。

▼採択者:佐久間 玲奈さん(令和6年度採択)

▼背景:
秋田県は自殺率が高く、社会的孤独や閉塞感を抱える若者も少なくありません。既存の制度・支援サービスは画一的で、障がいの有無や表面的な要件によって線引きされ、当事者が「合わない」と感じることも多々あります。
また、就労支援では「働くこと」ばかりが重視され、生きがいや感動を得る“原体験”の価値は軽視されがちです。そうした現状の中で、自身がかつて引きこもりを経験し、音楽との出会いで人生が変わったという原体験をもとに、誰もが「安心して、挑戦できる居場所」をつくろうとプロジェクトを立ち上げました。

▼事業の特徴:

  • 音楽等の表現を活用した「生きがい」づくりのプログラム(演奏・音響・表現)
  • 就労支援として、高齢世帯などを対象に、よろず便利屋さんの作業を利用者さんと一緒に行い、地域の困りごとを解決
  • ユニバーサル就労により、段階に応じた中間的な働き方を提案
  • 傾聴カウンセリングやアウトリーチ支援を通じた心のサポート
  • 東京都や県内外の支援機関と連携した実証・モデル化
  • 障害福祉サービス(B型)としての制度的な持続可能性と収益化

▼佐久間さんのコメント:
音楽と出会い、仲間と音を合わせるなかで、初めて『生きていたい』と思えた。そんな“原体験”が、人を変える力を持っていることを知りました。いまの私だからできることを、次は誰かの力に。社会から取りこぼされそうな声に、きちんと寄り添える場所を秋田に作りたいと思います。

▼秋田県 若チャレ(若者チャレンジ応援事業)とは:
秋田県を中心とした若い世代の起業や事業創造・事業開発といった夢の実現に向けた取組に、最大400万円の補助金助成や、起業家育成プログラムを提供して支援します。

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